トランスプレシジョンコンピューティング

処理速度と精度のバランスを最適化する技術

トランスプレシジョンコンピューティング「Transprecision Computing, TC」とは、計算に必要な精度を動的に調整することで、計算時間、メモリ、帯域幅、エネルギー消費などのコストを最適化する技術です。Adaptive Precision 「AP 」は、TCを実現するための重要な要素技術であり、計算精度をFP64からFP8まで柔軟に調整することで、最適なパフォーマンスを実現します。この技術を活用することで、クラウド環境だけでなく、エッジデバイスにおいても、大幅な計算速度の向上とコスト削減を実現いたします。

TCの概念図

TCが精度とパフォーマンスのバランスを最適化する技術。

TC サービス

当社は、計算速度高速化技術において豊富な経験と専門知識を有しており、特にTC サービスを通じたAP技術の活用に強みを持っています。

TCサービスの場合、図のようなワークフローに従ってプロジェクトを推進します。

ワークフローチャート

顧客のアプリケーション開発から実装までのプロセス。チャート内では、Nippoticaが提供する各段階でのサポート内容を明示的に示す。

当社のTCサービスは、クラウド環境における計算コストの削減にも大きく貢献します。特に、金融機関における複雑な金融モデルの計算では、モンテカルロシミュレーションなどの計算負荷の高い処理において、AP技術を適用することで、計算時間を大幅に短縮し、クラウドコンピューティングのコストを削減することができます。これにより、金融機関は、より迅速なリスク評価やポートフォリオのリバランスを実現し、市場の変化に柔軟に対応することが可能になります。

さらに、TCサービスは、クラウド環境におけるエネルギー消費の削減にも貢献し、企業のサステナビリティ目標の達成を支援します。

TCのアドバンテージ

AP技術による速向上。

クラウドコストの軽減と産業用IoT分野におけるチップ最適化は、AI技術の普及を加速させる上で不可欠な要素です。当社は、TCサービスを通じてAP技術を活用することで、両分野において画期的なソリューションを提供します。

⾦融機関向けソリューション

⾦融機関のお客様においては、XVA(Credit Valuation Adjustment)計算などの複雑な⾦融モデリングにおいて、クラウドコンピューティングコストを最⼤40%削減し、同時にエネルギーコストを半減することが可能です。これにより、リアルタイムでのリスク管理やポートフォリオのリバランスなど、より⾼度な⾦融サービスを提供することができます。

産業用IoT分野向けソリューション

産業用IoT分野においては、エッジデバイスの計算能⼒を最⼤限に引き出すためのチップ最適化ソリューションを提供いたします。特に、電⼒消費が課題となるエッジデバイスにおいて、AP技術は有効です。計算に必要な精度を動的に調整することで、電⼒消費を抑えつつ、必要なパフォーマンスを維持することができます。具体的な事例として、産業⽤AIアプリケーションにおいては、リアルタイム処理における電⼒消費を最⼤60%削減することが可能です。さらに、無線ネットワーク分野においては、信号処理の最適化により、基地局における電⼒消費を35%削減することが可能です。